目次
はじめに
今回ご紹介するのは、仙台市内の古い団地にある一戸建てのリフォーム事例です。
このお家、実は私(代表の小島)の高校時代の恩師の自宅です。私が高校生の時、担任の先生(まだ30代)は新築でマイホームを建てました(高校卒業後に、私はその家に遊びに行ったりしてました)。
それから30年、そのお家のメンテナンスをするリフォームの依頼をいただきました。
教え子として、ここは成長を見せたいところです。プロの設計士として建物の診断、ご要望の聞き取り、設計の提案・図面の作成してから、ショールーム見学した後にリフォーム工事をバシッと仕上げました。
最後に、工事の一部分(2階の洋室と1階の和室の壁)だけはあえて未完成にしておいて、ご家族でしっくいを塗っていただきました。
W先生夫妻・娘さん・孫さんは、私たちプロとタッグを組んで(しっくいを塗るアドバイスしてもらったり道具をレンタルしながら)ワイワイ塗りました。
その結果、最後のW先生の感想は「文化祭みたいで楽しかったよ」。
リフォームの素敵なストーリーです。ぜひ、最後まで読んでくださいね。
こんな方におすすめです
- 50代〜60代で、若い時に購入した自宅をリフォームしようと考えている方
- 子育てが終わり、子供部屋が空いている方
- 定年退職などライフスタイルが変わった方
工事の流れ
今回のリフォームは、大きく3つのパートに分かれています。
- リフォームの準備(出会いから設計まで)
- 工事の前半(プロの工事)
- 工事の後半(プロと素人の工事_みんなで一緒にDIO!)
1・リフォームの準備
リフォームのキッカケ
リフォームのキッカケは、
- 新築から30年経ってメンテナンスが必要な時期
- 孫も生まれ、定年退職を迎えるなどライフスタイルの変化
- これから楽しく快適に過ごせる家に
ご要望のヒアリング
1階
- 1階のリビングの窓がきつい(開けにくい)
- キッチン、ガスでいいか?
- トイレを広くしたい、床をフラットにしたい、
- 洗面所、お風呂新しく
2階
- 2階子供部屋→主寝室に
- 和室→洋室(クローゼット部屋)
その他
- 屋根・外壁が気になる
- 駐車場を1台→2台
とのこと。
さらにお伺いして話を聞くと、他にも課題はありそうで、、、
- 玄関ホール、洗面所、お風呂、冬場は寒い!
- 2階の雨樋、大雨の時にあふれる
しかし、提案したことが本当にできるかは、建物を診断しないとわかりません。
制約(構造)や予算の確認
古い建物は、広さや構造・法律などでいろいろと制約条件がつくことがあります。工事の前に、できること、できないことを確認します。老朽化した建物ほど予算がかかる傾向があるので、最初に建物を診断します。
建物の診断
工事に入る前に、構造の確認をします。
30年前に某ハウスメーカーで建築された建物は、構造的な問題は全くありませんでした。また、給排水と電気はリフォームでも問題なく使えることが分かりました。
しかし、30年前の一般的な仕様のため、断熱材は、今と比べるとかなり薄いものでした。窓ガラスも現在では格段に断熱性能がアップしたので、必要な部屋だけ高性能の「樹脂サッシ」に入れ替えることにいたしました。
床下換気口が大きくて通風がとれるのはいいことなのですが、冬場の北側からの風が強いので床下の温度が下がってしまうこともわかりました。
設計の提案内容
まずは「たたき台」の図面を提案します。
- その場所を工事するか
- キッチンやお風呂は、お値段スタンダードなもので使いやすさで人気のものを提案
- 寒さ対策は、床下の断熱材や断熱窓などの紹介
さらに、
- 庭を削って、駐車場を広く(3台分撮りましょうと提案。
- リビングの掃き出し窓は、大型の出窓に作り替えましょう。
(外から室内が見えにくいので) - 全ての部屋を断熱工事すると予算かかるので、メリハリつけましょう。
こんな提案をしました。
徐々に仕様内容が決まってきたら、
次はショールーム見学。実物をみてサイズの確認です。
ショールーム見学に行こう
せっかくのリフォームなので、いろいろなメーカーのショールームを見比べるのも楽しいです。キッチンはどんどん進化しているので、最新の機能に驚くこともあります。
バリアフリーもチェックしよう
ユニットバスのバリアフリー
ユニットバスの手すり検討するポイントは3箇所あります。
- 湯船の中で体を固定する手すり(お湯の中で体が浮い)
- 湯船から立ち上がる時に使う手すり(立ちくらみ)
- 洗面室からお風呂に入るときの手すり(お風呂の床が滑りやすい)
床の段差をなくす
一般的なおうちは、廊下から和室に入る時に、敷居の段差があります。
(昔は、敷居の段差をつけるのが常識でした。)
リフォーム工事で床の高さを調整できるなら、和室と廊下の床の高さを揃えることも検討できます。
足元灯
夜中にトイレに起きた時に、廊下の照明がまぶしすぎるとクラクラすることがあります。
ほんのり明るい「センサー付足元灯」も提案しました。
屋外のセンサーライト
車を降りて玄関までが暗いと、転ぶ危険性があります。
駐車場から玄関を照らす「屋外センサーライト」もおすすめです。
2・リフォーム工事開始!
いよいよリフォーム開始です。新築と違い、リフォームはそこに住みながらの工事になります。
特に水回りの工事では、注意が必要です。
家に住みながらリフォームするときの注意点
新築とは違い、施主さんが住みながら行うリフォーム工事は、工事の順番に注意が必要です。トイレ工事中はトイレができなくなり、キッチンの工事中は料理できない期間が発生します。
2階のトイレ、洗面所の工事の工事
まず最初に、まず最初に2階の物入れを解体し、トイレを新しくしました。そして廊下に洗面台をつくりました。そうすることで、1階キッチンが使えない時でも2階で簡単な調理ができるようにしました。
2階のトイレを先に完了させ次に1階の工事に着手し、トイレが使えなくなる期間がないようにしました。
お風呂の工事
次に1階の工事に着手したのですが、まずお風呂の撤去とユニットバスの組み立てから始めました。次に1階のトイレ1階のキッチンと工事をいたしました。
次に1階のトイレ1階のキッチンと工事をいたしました。
外壁・屋根について
同時進行で、建物の外壁の塗り直しと、屋根の塗装のやり直しも行っております。
屋根の塗装は耐久性の高いものにいたしました。
屋根工事は、屋根だけの点検ではなく、雨どいや軒先の確認もいたします。
大雨の時に、2階の南側の雨どいから雨水が溢れてくるとの話があったので、縦樋を1カ所追加することにいたしました。
外構工事について
車社会になったので、車を3台停められるようなレイアウトにしました。
ポストのデザインや、表札のデザインも一緒に考えました。
3・DIO!工事スタート
プロの専門的な工事を全て完了させ、仕上げ部分もほとんど仕上げた(1階のLDKと玄関ホールは、プロで仕上げました)のですが、一部分、みんなでやろうと決めていた部分の工事だけ残してあります。
2階の部屋の壁にしっくいをみんなで塗るイベントです。
1階の和室も
おわりに
今回のリフォーム事例は、高校の恩師の自宅をリフォームすると言う事でもあり、私にとっても感慨深い現場になりました。
お施主さんの感想
リフォームを終わった時、W先生からいろいろいただいた感想の中で、印象深いものがありました。
「楽しかったよ。まるで文化祭みたいだったね」。
もちろん設計士としても褒めてもらいましたが、高校時代、お調子者で文化祭の実行委員だった私に向けてのこの言葉は、うれしい一言でした。
暮らしやすさや快適性の良さに加えて、みんなの愛着がこもった家になったのであれば、設計士としてもとてもうれしいです。
担当者からの一言
リフォームをする時、実は、人が集まりやすいタイミングでもあります。
2人の娘さんもお手伝いにきてくれて、家族が揃った写真が取れたことも嬉しいです。
さらに、高校の同級生も手伝いにきてくれました。
家の仕事はおつきあいが長くなります。建築をきっかけに、改めて、ご縁がつながっていることに感謝しております。