はじめに
今回ご紹介するのは、息子さん達ファミリー・仲間も集まり力を合わせた実家のリフォーム事例です。
宮城県の南部の度重なる地震で地盤が動いた為、地域に被害が出ていました。
家は昔ながらの大きな和風建築で、しっかりとした作りでした。
設計を打ち合わせしていく中で、暮らしにくい部分の悩みやいろいろな希望や要望が出てきました。
また、このリフォームは夏休みの期間と重なったので、途中でDIO!建築を行いました。
小学校6年生のお孫さんは、大人顔負けの大活躍!さらに、夏休みの自由研究で発表してくれました。
リフォームの素敵なストーリーです。ぜひ、最後まで読んでくださいね。
こんな方におすすめです
- 子供と一緒に、親子でDIYをやってみたい方
- 離れた場所で親が住む実家をリフォームしようと考えている方
- 高齢者向けリフォームを考えている方
工事の流れ
今回のリフォームは、大きく4つのパートに分かれています。
- リフォームの準備(出会いから設計まで)(4月〜5月)
- 工事の前半(プロの工事)(6月〜7月)
- 夏休みにDIO!(プロと素人の工事_みんなで一緒にDIO!)(7月下旬〜お盆)
- 工事の仕上げ(プロの仕事)(お盆明け〜10月)
1・リフォームの準備
リフォームのキッカケ
リフォームのキッカケは、前年の宮城県南部地震で家に被害が出てしまったこと。
Iさんの息子さんから「コンクリートの家って強いんですか?」とメッセージが来たので、「コンクリートの家は強いけど、弱い地盤には向いてないかも」と返信したところ、「ちょっと実家のことで相談できますか?」との連絡からスタートしました。
ミライデザインワークスを知ったキッカケ
もともと代表の小島とI様の息子さんは知り合いでしたが、建築の相談をされたのは今回が初めてです。
息子さんは定期的に山元町に訪れており、実家に寝泊まりすることもあり、快適な睡眠環境と仕事環境を望まれておりました。
ヒアリングして分かったこと
最初は「建物に地震の被害が出ているので、診断してほしい…」との話でしたが、いろいろと聞いているうちに、
「本当はこんなことも相談したいんです」と言われて、、
- 梅雨時は目がかゆくなってしまう(1階の和室)
- お風呂のシャワーの水圧が弱く、チョロチョロと弱い
- 冬場のお風呂はめちゃ寒い
- 家全体の断熱性が低く、冬がとても寒い
- I様の寝室が2階にあるが、1階に移動したい
などなどの相談が出てきました。
しかし、まずは、建物を診断しないとわかりません。
診断(構造)と予算の確認
古い建物は、構造の劣化・法律などでいろいろと制約条件がつくことがあります。老朽化した建物ほど予算がかかる傾向があるので、最初に建物を診断します。
建物の診断
水圧の確認を確認したところ、メーターまでの水圧が強い事はわかったのですが、お風呂にお風呂の水圧はとても弱く、お風呂までの配管に問題がありそうです。
床下も点検したのですが、床下に薄い断熱材しか入っていない(昭和中期はそれが普通)ので、寒さ伝わってきそうです。
床下は土が湿っており、湿気が高いことがわかります。梅雨時は家の周りに降った雨の湿気が伝わってきて、床下の湿度も高くなります。この湿気で床下にカビが発生し、梅雨時に目が痒くなる原因になってると思われます。
設計の提案内容
お母様の寝室を2階から1階に持ってくることになりました。和室を洋室に変更します。
そして寝室の近くにトイレを移動しました。
構造上大事な柱は移動できないので、そこは残したままなるべく大きくなるよう特注で注文しました。
ご予算も確認し、これぐらいの予算でおさまるなら、この新しい間取りで行こうと方向性も決まりました。
そこまで来たら、次は実物をみて確認です。
ショールーム見学に行こう
お母様と一緒に、キッチンのショールームやトイレのショールームにも行きました。
リフォームはなかなかイメージがつかないこともあるので、ショールームの見学はおすすめです。
湯船の大きさや、部屋の広さの確認は大事です。
カラーバリエーションもたくさんあるので、選ぶのは楽しいですよ。
バリアフリーのオプションもチェックしよう
ユニットバスには、オプションで手すりが設定されていることが多いです。
手すり検討するポイントは3箇所あります。
- 湯船の中で体を固定する手すり(お湯の中で体が浮い)
- 湯船から立ち上がる時に使う手すり(立ちくらみ)
- 洗面室からお風呂に入るときの手すり(お風呂の床が滑りやすい)
実際に体感して、選んでもらいました。
補助金の確認
住宅改修で補助金が出る場合があります。
- 断熱性能を上げる場合に使えるエコ補助金
- 地震被害の補修に使える災害復旧の補助金
- 県内の木材を使う場合に使える地域活性化の補助金、など。
補助金に該当する場合には、なるべく申請しました。
だいたいの設計がまとまり、6月ぐらいから着工するとなると、工事が夏をまたぐことがわかりました。
そこで、「せっかくなら夏休みに何か楽ことやろう!」となり、ならば「夏休みに東京に住む小学生のお孫さんもDIO建築を体験してもらおう!」と決定。
いよいよ工事のスタートです。
2・工事の前半(プロの工事)
いよいよリフォーム開始です。
新築とは違い、リフォーム工事は、工事の順番に注意が必要です。
今回は夏休みに息子たち家族も首都圏から帰省してDIO!し、夏休み明けにプロの工事を再開させて、仕上げて完成する流れになりました。
和室(中座敷)の工事
和室は床下の木材が腐っていたので、すべて交換しました。断熱材も入れ替えたので冬も暖かくなりました。
和室(奥座敷)を洋室にリフォーム
お母さんのベッドを置くために、畳だった床をフローリングに変えました。
3・夏休みにDIO!(プロと素人の工事_みんなで一緒にDIO!)
東京からお孫さんも来て、おばあちゃんの寝室の壁をしっくい塗りします。
おばあちゃんの寝室をDIO!
茶の間の掃除としっくい
ダイニングテーブル作ろう
休憩時間にスイカ割り
お昼はBBQ
夜は花火大会
とても楽しい夏休みのイベントになりました。
4・工事の仕上げ(プロの仕事)
夏休みのファミリーイベントも無事終了して、ここからはまたプロの工事で仕上げます。
仕上げ工事の様子
おまけ(サーフボード置き場)
おわりに
今回は、実家のリフォームでしたが、工事をきっかけにたくさんの笑顔が生まれました。
思い出に残るイベントになって良かったと思っております。
お施主さんの感想
Iさんの息子さんからは、「リフォームするなら絶対DIOやった方がいいよ!」
お孫さんからは「大変なデザインで皆で苦労したが、非常に納得できるものになった」とのこと。
担当者からの一言
リフォームをする時は、実は家族が集まるチャンスです。
この工事がキッカケで、東北の実家での楽しい思い出づくりができたなら、かけがえのない記憶になったと思います。
次に帰省した時に、自分で作ったテーブルをみたり、自分で塗ったしっくいの「塗りむら」を見たときに、この夏のことを思い出してくれたらいいなと思ってます。
それだけ愛着のわく家になったのであれば、設計士としてもとてもうれしいです。